コラム「さくら通信」

Vol.6

***シンドローム

 この仕事をするようになって早数年が過ぎましたが、いろいろな人と話が出来るこの仕事をとても気に入っています。「あ、聴こえる!」と言って驚いたり喜んだりする人の顔を見ることが出来た時には帰り道に買う缶ビールの味も、これまた何とも言えない旨さです。勿論、帰る途中では呑みませんが。

 最近、久々に会うお客さんから「君、太ったなぁ。」と頻繁に言われるようになりました。「すいません、原田さんは?今日はどこに…?」「…い、いや、目の前に…。」なんて事も一度や二度では済まなくなって参りました。さらには会議で来札される帯広店の横山店長からも、会うたびに「デブ。うははははっ!デブ。」と脳裏に焼きつくほどに言われてしまいます。「…楽しんでもらえるならそれでもいいや…。」などと安易に受け止めてしまう私も私なのですが、健康面を考えるとこのメタボリックシンドロームというのは、やはり良くありませんね。何が悪いって、それでも「まだ大丈夫。」と思ってしまう何の根拠も無い自信が良くないようです。で、今はすっかりビールっ腹という訳です。

 そろそろ話をすり替えようと思うのですが(笑)、この「まだ大丈夫。」が良くないという事は、聴こえについても同じことが言える場合もあるように思えます。既に周りの方が話しかける時に、困ってしまうほどに難聴が進んでいても、当のご本人様からは「まだ聴こえているから大丈夫。」と言われるケースがよくあります。
 確かに軽中度の難聴の方ですと実際には全く聴こえていない訳ではないので、ご自分が難聴であることを自覚することが困難なようです。長年に亘り、知らず知らずのうちに慣らされながら少しずつ聴こえが遠のいてしまうので、ご本人様にとってはそうだと分からないままに、聴こえない世界が当たり前になってしまっているようです。ですから難聴で一番困るのはご本人よりも、ご家族の方だったりすることが往々にしてあるようです。
 しかし、この難聴の期間も長ければ長いほど音に対する感覚が薄れていってしまう為か、いよいよ悪くなってから補聴器をつけた時には、耳に入ってくる全ての音が嫌になってしまう人も少なくありません。なるべく早い内から補聴器の音に慣れて、いろんな音をしっかり受け止める力が無いと、どんな高価な補聴器でも効果は得られなくなるようです。

 同様に私のメタボリックもあまり状況が悪化してからのトレーニングだと、効果が出なくなるでしょうから、すぐにでも運動を始めたいと思います。目標は「最近痩せたな。」と言われるようになることですが、果たして半年後の私の体重はどれくらい減っているでしょうか?難聴もメタボリックも早めの対処が重要なようですね。

〈原田 慶弘〉